名古屋城再現のためのEV設置に対する個人的な意見
2023.6.6 毎日投稿 第157回
某新聞に、名古屋城を復元するプロジェクトにエレベーターの設置を求める意見に対して「差別発言」が相次ぐという記事を目にした。
かなりセンセーショナルな見出しだが、まぁ、文屋の常套手段だし、特にその新聞は偏向のイメージが強いのでまたかという感想であるが、記事を読むと障害を持つ身として違和感を覚える。
名古屋城の天守最上階までのエレベーターの設置をしないという事だが、これは「史実の忠実な再現」のためであり、障害者差別とは違うと思う。
当時の再現となれば、エレベーターの設置などはありえないし、再現性という意味でも異物に間違いない。
エレベーターを設置しないことが当時の再現に必須なのだし、これは差別とはならないと思う。
勿論、城が好きで好きで仕方がないという人には、かなり辛い事だろうが、そこは致し方ないと僕は思う。
一方で、エレベーター設置反対の人が「どこまでずうずうしい我慢せえよ」と言ったとの記載があり、それに関して僕は「ずうずうしい」とまで言われる筋合いはないとも考える。
障害者は、健常者に比べて理不尽な我慢を強いられることが多々ある。
幸い、僕は興味がない人間であるから平気だが、僕が仮に城マニア人間であった場合、こんなことは言われたくはない。
史実を忠実に再現するというコンセプトを逸脱するから、涙を呑んで諦めるだろう。
まぁ、この記事自体が政治臭が強い気もするので、あまり言及するべきではないのだろうが、障碍者である身から言わせてもらえば「貴方は観られるから羨ましいですよ」と嫌みの一つでも言いたくなるというのが、正直な感想だ。
「我慢せえよ」などと他人からばしゃりと言われたら腸が煮えくり返る想いになることは間違いない。
自分が年を取って足腰の自由が奪われたときに同じことが言えるかどうか楽しみである。
エレベーターの設置を反対する意見に対して僕は異論はないが、このオッサンの発言自体は、傲慢な野郎だなと腹を立てている。
鯉庵