地蔵菩薩
2023.6.21 毎日投稿 172回
賽の河原というのは、日本が独自に取り入れたモノらしい。
仏像よりもお地蔵様の方が多いのは、民衆に愛されていた証拠だそうで、確かに大仏といえば奈良のイメージが強いし寺にいかないと拝めないイメージがあって、お地蔵さまは道端に居たりする。
現代日本でも、親より先に亡くなってしまう子供も多いが、昔はもっと多かったはずだ。
石積をしても、鬼に邪魔されてしまう。
そんな子供たちを救済してくれるのがお地蔵様である。
地蔵菩薩。
菩薩というのは、仏になる前の姿であるというところから結構豪奢な格好をしている。
仏陀が、王子であったことに由来しているためだそうで、装飾も多い。
菩薩は「地獄」での子供たちの親代わりという話もある。
泣いて居る子供の所まで行き、優しく頭をなでてやるのだ。
僕が鬼哭廻牢のシナリオを書くときに、このシーンは絶対に入れたいと思っていた。
閻魔様と表裏一体という設定は、僕が勝手に作った設定だが、父のような厳しい閻魔の貌と母のような優しさを持つ地蔵菩薩を敢えて女性として描いている。
鬼哭廻牢での当代閻魔は、人間に対して憤りを感じながらも、心底では救ってやりたいと思っていて、でも救ってやることが出来ずにイライラしている。
そういう風にキャラクター像を造った。
詰めが甘いというか、鬼になり切れないところが、やっぱり人間臭い。
人の善きところも、悪いところも全て知る彼・彼女は、その善きところに希望を見出している。
そういうキャラである。
鯉庵