乙女系転生小説には、なぜ前世の記憶が必要なのか。
2023.7.22 毎日投稿第201回
乙女系とは、はめふらを代表とする女性向け転生小説の総称(勝手に命名)である。
乙女系とは、はめふらを代表とする女性向け転生小説の総称(勝手に命名)である。
僕は、漫画を中心にこのジャンルを読み漁っているが「この物語に前世の記憶って必要か?」と疑問に思う作品がいくつかある。
前世で呼んでいた小説やら乙女ゲームの世界に転生する場合なども含めてBADエンド回避のためというのが主流だろうが、それ自体は建前で根本的な理由に「読者を主人公に感情移入させやすくするため」というのが最大の理由だと考える。
僕の偏見であるが、男性向け作品よりも、女性作品の方が、圧倒的に主人公への感情移入に関して気を使っているように思える。
女性は共感の生き物というのをよく耳にするが、実際そういう側面はあると思う。
中世のナーロッパ(なろうヨーロッパ風)の場合、現在の倫理観に合わない時代が大半であるため、ガチの中世時代の人間を主人公に据えると読者層のニーズに合致しない。
主人公は、読者のアバターでならねばならないから、前世(現代人)の人格が必須になってくる。
これは男性作品にも当てはまるが、女性向け作品とは比較にならない。
転生というフォーマットに独自性のある世界観を与えることでその作品のオリジナリティーが保たれていると感じる。
ニーズを把握し、自身の作品へ生かしていきたいと思う。
鯉庵