女性向けと男性向け
2023.3.13 毎日投稿 第70回
小説の描写というのは、読者の想像力を膨らませるような書き方をしないといけない。
容姿についても、顔立ちや髪の色や髪型、服装を説明的に書くよりは、単純な情報だけを書いて、想像する余地を残していた方が読者それぞれのキャラクター像を想像させることが出来るので、そちらの方が、僕は好きだ。
一方で、僕は詩的な文章表現もかなり好きであり、男性作家よりも女性作家の情景描写や比喩表現は男性作家にはあまり見られない独特の表現が多い。
世界観に準ずる例え方が上手かったり、世界観を崩さない表現は読んでいて、素直に感心してしまう。
ティーンズ小説の中世の貴族社会を舞台にした小説では、現代の俗世を感じさせないような表現に徹底していることが殆どである。
セックスの描写に関しても、華がある描写が多く、直接的表現がされていないので、読者が想像で補う部分が多い。
官能的描写は、エロティックではあるものの、男性向けとは違って、欲望を掻き立てない。
愛の営みとして繊細な書き方をしていると特に感じる。
まぁ、僕自身そんなに数を読んでいるわけではないが、男性向けジャンルと女性向けジャンルの違いは、描写の書き方でもだいぶ違うと感じている。
実を言うと、鬼哭廻牢の制作を終えたら、乙女ゲームを作ってみたいというひそかな野望を抱いている。
まだ完成もしていないうちから、こうやってやりたいことだけは、どんどん湧いてくるから困ってしまう。
現状はどれも中途半端であるから、しっかりと鬼哭廻牢を完成させて、次へ取り組みたい。
鯉庵