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善意の迷惑

 2023.5.4 毎日投稿 第123回

 街中で極偶に、「がんばってね」と何の脈絡もなく声を掛けられることがある。
 一昨日出先で昼食を食べている最中に、ちょうど隣の席にいたおばさんに、唐突に「頑張ってね」と激励の声を掛けられてしまった。
 僕は、まだ食事の最中だったし、唐突でどう返事をしたものかと困惑してしまったが、おばさんはそんなことお構いなしに話しかけ続けられ、ハッキリ言ってしまえば、迷惑だったから適当で曖昧な生返事を返すだけだった。
 おばさんに悪意はないだろうし、単に車椅子の僕が一人で食事しているのを珍しく思ったのかもしれない。
 同情とも違い、一人で買い物に来た子供に「偉いねぇ」というトーンで声をかけてきたのだと思う。
 悪意はなくとも、気分がいいものではない。
 ご高齢の様だったし、車椅子の僕に何か思うところがあったのだろうけれど、僕はそういった声掛けを迷惑に感じてしまう方なので、態度に出てしまったと思う。
 言い方は悪いが「ナメられている」と感じてしまうのだ。
 小学校にも通っていないような小さい子供に対する接し方でいきなり「偉いね、頑張ってね」と言われても「はぁ……どうも」くらいしか思わないし、面倒くさいという気持ちが先に立ってしまう。
 善意だというのは、理解できるのだがどうも苦手だ。
 ただ、こちらとしても怒るわけにもいかず、やり過ごすくらいしか手がない。
 イラっと来てしまう自分も器が小さいなぁと思いつつ、心にもない「ありがとうございます」を口にしていた。

 鯉庵

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鯉庵

Author:鯉庵
アマチュア物書き。
現在live maker3(開発版)を使用し18禁ビジュアルサウンドノベル【鬼哭廻牢~餓鬼・畜生編~】配信中。
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http://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ202650.html


エロゲ好きの和服好き。
好きな属性は幸薄女子。



※諸注意※

ブログ内に投稿されている小説は週刊少年ジャンプ【ぬらりひょんの孫】の二次創作小説です。


ツイッター:https://twitter.com/rian_manaita

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