異世界のんびり農家2
2023.4.9 毎日投稿 第98回
とりあえず、現在配信中のオーディオブックをすべて聞き終えたので、改めて感想を書こうと思う。
異世界のんびり農家を知ったのは、アニメが初めてだった。
原作ものライトノベルも、漫画版も読んではいなかったので、正真正銘アニメでの視聴が初めてである。
歯に衣着せぬ物言いをするなら、1話の導入部分で「あー、雑ないつものなろう系かぁ」であった。
仕方がない。
僕は、僕の考えてとして「神様は存在するが、神様は人間の為に何かをすることはない」と思っている。
手違いでも、お詫びに輪廻転生させるというのは、僕の神像とはかけ離れていて雑であるという印象は拭えなかった。
ただ、この主人公を生き返らせるというのは、壮大な物語の土台があるうえで成り立っているというのが、原作書籍を読むとわかってくる。
前提として、世界観が壮大で、主人公の行動は国生みというか、神話の再現というか、そういう類になっていて、さらっと書かれる何気ない行動が、世界を救ったりしている。
農業に関しても、あまりにご都合主義的であるが、これも神話絡みというか、設定が生かされている。
物語の進行も、一人称でさらさらと進行していくのだが、余計な装飾がない分、説明的要素があまりない。
ただ、極端に情報が少ないので、登場人物の把握が難しいのが難点だ。
上でも書いたが、この物語は、世界観がかなりしっかり作り込まれている。
インド神話に近い神話体系だと思うのだが、ファンタジー設定がちゃんと生かされているのだ。
なんちゃって感があまりないように思う。
ヒラク村長に自覚はないが、無自覚に行動した結果が神話の一ページになっていたりする。
現に神から「代行者」であると言及もされているし、世界の崩壊を防いでいるので間違いない。
淡白な進行と起伏の少ない物語ではあるものの、世界観の規模が神話級なので、やたらデカい。
それは、物語の規模もそれに合わせてデカくなっていく。
その広がりが、この物語の魅力であると僕は思う。
11巻以降が、オーディオブック配信がされていないのがとても残念である。
鯉庵