阿修羅
2023.1.18 毎日投稿 第18回
羅毘というキャラクターは、相方哘の外見や性格を骨組みとして、僕が新たに肉付けして創造したキャラクターである。
性格といっても外見や言動を汲み取っただけなので、彼の深い部分まで理解できているとは、言い難い。
それでも好き勝手に扱わせてくれる許可を貰えたので、非常に有難いことだ。
羅毘は、阿修羅である。
鬼哭廻牢という作品に於いて、彼は非常に重要なポジションを担うキャラクターであるが、実はまだ本編ではまだ深く触れていない。
彼の生い立ちや過去に関しては、修羅編・終篇を発表した後にじっくりと書きたいと考えている。
阿修羅は憤怒の神だが、僕は、堕ちたと表現している。
神話や仏教に於いて、阿修羅は悪として扱われることが多い。
阿修羅が怒りに狂う理由に関しても、納得のいくモノだった。
しかし、その憤怒に囚われ過ぎているというのが、悪たる所以という事らしい。
仏教では、諸行無常を説いている。
変わらぬものはないという事であるが、まず我に囚われている時点で仏の道は遠いのだという。
阿修羅も怒りに執着し続けて闘うことが、悪だとされているという事だ。
僕は、単なる知識として仏教について調べたりしているが、仏になりたいだとか、本当の我(自分)など存在しない等という哲学めいた教えを理解し難い。
僕は煩悩まみれだし、もっと言えば、煩悩が好きだ。
僕は煩悩こそが人間である証だとも思う。
煩悩を振り払い、仏の境地に至ったところで幸せかとは、言えないだろう。
実際幸せを追求すること自体が我であり、煩悩なのだからどれ程遠いかわからない。
ただ、仏教の理念自体は、素晴らしいモノだと思えるし、そういうモノに縋るのもわかる。
大分話が逸れてしまったが、阿修羅というキャラクターは、理不尽に因って修羅道へ堕ち、今も絶えず戦いに身を置いている。
そんな彼をモデルにした羅毘を、僕は非常に気に入っているし、これからも大事に描きたいと考えている。
鯉庵