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天敵シリーズ:坂

 2023.2.6 毎日投稿 第36回

 僕ら車椅子ユーザーの天敵の代表格といえば、坂である。
 僕は介護サービスを使用しないため、友人を除いた場合、基本的には一人で行動することが多い。
 先日行った品川の話をしてみようと思う。
 新幹線で品川駅下車した後、改札を出た後は「高輪口」をエレベーターで出た後、横断歩道を渡るとすぐに品川プリンスホテルが見えてくる。
 しかし、ここで天敵坂が立ちはだかる。
 僕は電動車いすを使用せず、手動(手漕ぎ)のOXタイプを使用しているから急勾配の坂は危険極まりない地帯なのである。
 ちなみに車いすを購入する際は、オプションで転倒防止を付けることは可能である。
 僕はこの転倒防止があると、ウィリーがしにくくなるので、外してもらった。
 それに加え、あまりに勢いよく後ろへ傾くと転倒防止をオプションで付けていても、後ろへ転倒してしまう。
 余談だが、僕が一人暮らしをしをしていた際、横断歩道を渡ろうとして、歩道へ乗り上げる時に勢いが付きすぎた所為で車いすが180℃転倒してしまった。
 その時、ちょうど信号が赤から青に切り替わるという絶妙に魔の悪いタイミングだったため、停止していたバスが発進。僕は成す術もなかったので、もしバスの運転手が僕の転倒に気づくのが数秒遅れて居たら、僕の頭は潰れていたに違いない。
 このように、坂や段差というのはちょっとしたモノでも危険なのである。
 話を戻そう。
 品川駅からプリンスホテルまで行くのに坂が存在したのだ。
 僕は最初、エキュートからプリンスホテルに行くルートを知らずに迂回してしまったため、あの急勾配の坂を上る羽目になったわけだが(自業自得)覚悟を決めて坂を上っていると、3/1程登ったところで、見ず知らずのマダムが見かねて僕をおしてくれた。
 僕は申し訳ない気持ちになりながら坂を上り切ってホテルへ到着。
 それからマダムと別れ、ホテルのフロントへ到着。
 そこで受付の人に「ステラボールへはどう行けばいいですか?」と尋ねると非常に気まずそうにして「お客様、ここは品川プリンスホテルではございません」
と言われてしまった。
 エキュート品川と繋がっているのだから実は坂を上る手前に目的地があったのだ。
 僕は焦った。
 開演まで30分を切っていたからである。
 坂は上るよりも、下る方がはるかに怖い。
 僕はタクシーで目的地まで行かなかったことに激しく後悔を抱きながら下って行った。
 ステラボールは、坂の中腹にあったから、そこまで何とか自力でたどり着く。
 しかし、そこから中に入るまでもかなりきつい坂になっていて、正直自力では辿りつけないと判断して、道行く人に声をかけ、なんとか会場にたどり着いたのである。
 下調べの重要性も然ることながら、坂の存在が我々の敵だと再認識した日だった。

 鯉庵

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鯉庵

Author:鯉庵
アマチュア物書き。
現在live maker3(開発版)を使用し18禁ビジュアルサウンドノベル【鬼哭廻牢~餓鬼・畜生編~】配信中。
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http://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ202650.html


エロゲ好きの和服好き。
好きな属性は幸薄女子。



※諸注意※

ブログ内に投稿されている小説は週刊少年ジャンプ【ぬらりひょんの孫】の二次創作小説です。


ツイッター:https://twitter.com/rian_manaita

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