ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ
2023.2.12 毎日投稿 第42回
ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へを観てきた。
相変わらずの映像美とアクション、キャスト人の演技に圧倒された。
鬼滅の刃は、仏教の要素がふんだんに盛り込まれた、というよりも仏教世界観を巧みに取り込んだ作品だろう。
『鬼滅の刃』で学ぶ はじめての仏教という本が出版されているほどだ。
鬼滅の刃は、「繋ぐ」だとか、「円環」だとか「縁起」というキーワードが物語の基盤にある。
継国縁壱は「道を極めた者が辿り付く場所はいつも同じだ」と言っている。
これは、釈尊が極めた悟りに通じるのだと思う。
縁壱は、自分の人生に価値はないと嘆いたが、炭吉との縁に因って、縁壱の使命である「鬼舞辻無惨を斃す」に繋がっているのだ。
一方、鬼舞辻無惨は、「私の嫌いなものは変化だ」という発言をしている。
変化は「劣化」であるからそれが嫌だという。
完璧でありたいという煩悩によって、彼は幾星霜苦悶しているのだ。
彼は、死の恐怖に怯え、苦しみ悶えている。
自分の命を長らえるために、他者を顧みない。
皮肉にも、縁壱は、死の直前まで全盛期のままであった。
彼は老いることも恐れなかったし、囚われなかった。
それも釈尊と通ずる所だろう。
僕は、鬼滅の刃という作品を何の気なしに観ていたが、『鬼滅の刃』で学ぶ はじめての仏教を読んで、こんなにも奥深い作品などだと感動を覚えた。
改めて、このような素晴らしい作品を生み出した吾峠呼世晴先生に感謝したい。
鯉庵