陰の実力者になりたくて
2023.2.13 毎日投稿 第43回
陰の実力者になりたくてのアニメ版を視聴している。
アニメになる前からこの作品は知ってはいたものの、よくある最強なろうの欲張りセットだという事は知っていたので触れてこなかったのだが、アニメを視聴して考えが改まった。
やはり食わず嫌いはよくない。
正直に感想を述べるなら最初は観ていて恥ずかしくなるような、というより由緒正しい厨二病患者に振り切った演出は鳥肌が立つほど痛々しく、本当に顔を覆いたくなるような羞恥心が沸きあがってきたのだ。
異世界に転移する経緯も雑だし、転生してからもまぁ雑なあらましをナレーションで説明されるというテンプレートだった。
しかし、この作品はそれでいいのだ。
何故なら主人公が、徹底してどうでもいいと言っている。
彼の人生に於いて「陰の実力者になる」ことそのもの以外はすべて些末事なのである。
この作品を一言で表すなら「陰の実力者ごっこを人生掛けてやる」という事になると思う。
人生に於いてのやりたいことリストがすべて陰の実力者ごっこなのだ。
ごっこというのは、適切ではないかもしれないが、なりきりムーブという奴だと思う。
それを楽しむためなら世界が滅ぼうが構わないというくらいには固執している。
面白いのが、シド・カゲノウは、それのみに頓着しているだけなのだが世界観はしっかりと基盤があるのだ。
適当に作り上げた異世界の闇は、本当に存在するし、彼の理想の世界があるのである。
僕はこの物語が、シドの夢だったというオチであっても驚かない。
そのくらい彼の理想の舞台が整っている。
その舞台がしっかり整っているので、シドの観ている世界のフィルターを除くとかなりえげつない世界だというのがわかる。
そういう意味で、この作品は面白い。
まぁ、ツッコミどころは沢山あるし、そうはならんやろと思うこともあるが、エンターテインメント性は高い。
2期目を期待してしまうくらいには、面白い作品なのである。
あい・あむ・あとみっく♡(ASMR
鯉庵