2023.3.9 毎日投稿 第66回
小説家になろうで多くが書籍化・アニメ化などをされている人気ジャンル「パーティーから追放される」について、思うところを書き綴ってみる。
先に断っておくと、僕はこのジャンルに対してあまりいい感情を持っていない。
つまり、批判的なことを多く書くつもりだ。
ブログを読まれる前に、留意してほしい。
【有能なスペックの主人公】
追放系でお約束として、活用される主人公が地味だけど実はすごいスキルやスペックの持ち主であるというのがある。
この手のジャンルでは欠かせない。
しかしである。
この状況を成立させるためには、まず、主人公以外のパーティメンバーが恐ろしい程バカである必要が出てくる。
探索系や補助、後方支援系の重要性は、普段ゲームをしない僕でも理解できる。
僕のような人間でも理解できることを理解せず、役に立たないという理由で追放されるわけだ。
この時点で、主人公をヨイショするために周辺のキャラクターの知能を著しく低下させるというのは、手法としてあまりよろしくないと僕は考える。
しかし、このテンプレートは【トラックに轢かれて、異世界に転生する】もっと古くからある【誰にも抜けないはずの伝説の剣が抜ける】と同等のお約束なのかもしれないので、突っ込むのは野暮なのかもしれない。
【追放のされ方】
主人公は、とても理不尽にパーティーを追放されなければならない。
「役に立っていない」
「足手まとい」
「地味」
「戦闘向きではない」
etc.
このような理由でパーティーを追い出されるわけだが、抗議はするものの、一方的な言い分によって首を宣告されるわけだ。
こういった場合、「お前、今日で首」という経営者がコレが言えたらどれだけ楽かというほどのお手軽さで追放が決定する。
思考停止でリーダーに同調するメンバー。
それを受け入れる主人公。
どちらが悪いだろうか。
僕は主人公が悪いとも思う。
パーティーメンバーに関しては低能が極まっているので、仕方ないのである。
しかし、主人公は有能でなければならないのである。
言われるがまま、追い出される主人公側に問題があると考える。
まず、必死さが足りない。
自分が追い出されようとしているのだから、自分の有用性をパーティメンバーに理解してもらう必要がある。
ただ、多くの場合、主人公自体も自分の有用性を理解しておらず、追放されてから真価を発揮するので、自己分析と自己評価を見誤っている点で、主人公の自業自得でもあるのだ。
ド低能極まったパーティメンバーは、主人公が居なくなって初めて、主人公の有用性に気づくわけだが、あまりにもお粗末である。
そんなことは駆け出しの冒険者だって気づくだろう事を居なくなるまで、気づかないのだから、知能の低さはきっと僕より知能が低いと思う。
【有能なのに、追放される正当な理由付け】
主人公は、俺TUEEE出来るほど、活躍できるのだからパーティメンバーがド低能である以外の理由でパーティメンバーを追放されるというシチュエーションを考えた時、以下のような理由があげられる。
①主人公の人格に問題がある。
真っ先に浮かぶ理由である。
「この人仕事は出来るんだけど、性格悪いよなぁ」という人間は結構居る。
人間関係を疎かにするだけで、人間社会では生きてけない。
有能で能力があっても、周囲から嫌われていれば、足を引っ張られるし、嫉妬もされやすい。
人の心がわからない系主人公であれば、追放の憂き目に合うのも致し方ない。
②差別・身分による不当な扱い
例えば、主人公が異世界の価値観で差別されるような種族であった場合、能力的には有能であれパーティー内で不当な扱いを受け、ケガや病気により廃棄されるパターンなどが考えられる。
差別というのは、どこの社会でもありえるので、主人公を人間とは別の種族にして差別対象である場合、身分も低く奴隷として買われる等のシチュエーションは、かなりわかりやすいのではないだろうか。
ただ「追放」というジャンルに当てはまるかは微妙なところだろう。
③わざと有能なことを隠す
主人公の能力を明かすことを避けているもしくは、明かせない事情があり無能扱いされる。
これは、設定上あり得るが、何故パーティーを結成する理由の方もなかなか厳しくなりそうなので使えそうにない。
他にも考えられるパターンはあるだろうが、飽きたので、今回はここまでにしようと思う。
鯉庵